だがしかし、追加の3冊が予約可能となり、昨日、『正体』と『ブレイクショットの軌跡』を返却するついでに借りてきてしまったので、またもやタスクが3冊(2週間で)に状況は逆戻り。
今読んでいる『Spring』は、まあまあおもしろいと言えばおもしろいのだけれど、実はそれよりも、昨日借りて来た3冊が気になってしようがない。著者は恩田陸さん。彼女の作品は『蜜蜂と遠雷』以来2冊目。『蜜蜂と遠雷』は直木賞も本屋大賞も取った作品で、ピアノコンクールに出場するピアニストの話。音楽を文字で表現するってすごいなあと思ったし、ピアノが趣味の自分としては、物語に出てくる曲を検索して聴いたりしながら読み進めるのも楽しかった記憶がある。だが、私の中では☆5つとはならなかったんだよね。
で、『Spring』も今のところ、同じような印象なのだ。こちらは、男子の天才バレエダンサーの話で、やはり、踊る姿(主人公・春が型にはまらない天才なので特に)を文字で表すのってすごいし、そこから踊りを想像するのも楽しいのだけど、訴えかけるものが、その天才少年のすばらしさしか今のところ感じられなくて、まあ、まだあと半分あるので、どのような展開になるか、ではあるのだけれど。
”天才”というくくりだからか、『蜜蜂と遠雷』の風間塵(かざま じん)と『Spring』の萬春(よろず はる)が同じイメージになってしまって、映画で風間役をやった鈴鹿央士さんが私の頭の中では踊っている。(映画は観ていないのに・笑)
しかし、『Spring』よりも問題なのは、『ブレイクショットの軌跡』だ。感想はNoteにも書いたが、とにかくつまらなかったのだ!なのに、2025年上半期の直木賞候補になっているという。マジか。逢坂冬馬さんの小説は3冊出版されていて、デビュー作の『同志少女よ、敵を撃て』がとてもおもしろかったので、『ブレイクショットの軌跡』も期待していたんだけどね。
他の人のレビューを読むと、☆5つにしている人が多くて、え~?!私だけ☆2つ?とびっくり。しかし、いろいろ読んでいたら、「『同志少女よ、敵を撃て』が良かったので、2作品目『歌われなかった海賊へ』を読んで、彼は一発屋だったかと思い、『ブレイクショットの軌跡』でそれを確信した」と書いている人がいて、親近感を持てたわ。
『ブレイクショットの軌跡』は、いろいろなエピソードが満載で、それらが強引に一つの小説にまとめられているのが、イマイチの理由かな。まとめる理由がわからないというか、作者のメッセージが伝わらないというか。それぞれをもっと深堀して、ひとつひとつ独立した物語にすればよかったのでは?と思う。これが直木賞を受賞したら、他の候補の作品は読みたい気持ちになれないかも。
なんだか、生意気な文句ばかり垂れてしまった。
新タスクの3冊は、次の通り。
『隣の国の人々と出会う』斎藤真理子
『八月の御所グラウンド』万城目学
『音のない理髪店』一色さゆり
3冊とも、とても読みたかった本。
万城目学さんの奇想天外な物語は、私の超お気に入りだし、『隣の国の…』は、ハン・ガンの『すべての、白いものたちの』の翻訳者だし、ハズレなわけがない。ゆいいつ、一色さゆりさんは初読みなので、未知の世界。でも、一色さんのおじいさん(ろう理髪師)の実話だということと、私自身が美容師だったということもあって、興味を持った。
夫に「最近、韓国タイム少ないんじゃ?」と言われるけれど、いや、一応見てるって。
今は『大王世宗(てわんせじょん)』と『薯童謡(そどんよ)』。『大王世宗』はハングルの創設者で名君ということなのだけど、36話現在、まだ冴えない王子の段階。最近ようやくおもしろくなってきたところ。全86話ということだから、これからだわね。
『薯童謡』は全74話で、17話まで見た。実は百済国王の四男である主人公が、平民として足掻いている段階で、これから期待といったところ。
そんなこんなで、タスク山積みといいながら、たまたま聴いたモーツァルトのソナタ#11を弾けるようになりたいと思い立ち、練習を始めた。第1楽章ね。
暑さでピアノの音がぼよぼよになっている今日この頃である。



